
英語の不定詞は、to+動詞の原形の形で、文の中で名詞・形容詞・副詞の3つの働きをします。
学校で「名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法」と習ったのに、目の前の英文がどれに当たるのか見分けられずに困っている人は多いでしょう。
この記事では、3用法の見分け方を例文と一覧表で整理し、to を付けない原形不定詞や否定・完了形・受け身の形まで順に並べます。
結論=to 以下が「何を」に答えれば名詞、前の名詞に「どんな」と掛かれば形容詞、「何のために・なぜ」に答えれば副詞の働きです。
英語の不定詞はto+動詞の原形で3つの働きをする
英語の不定詞には、動詞の前に to を置く to 不定詞と、to を付けない原形不定詞の2つの形があります。
Cambridge Dictionary の文法解説は、to 不定詞を to+動詞の原形、原形不定詞を動詞の原形だけの形としている。
to のあとは動詞の原形
主語が he でも、過去の話でも、to の直後の動詞は形を変えません。
3用法の早見表
まずは3つの用法を1枚の表で見比べておきましょう。
| 用法 | 文の中での役目 | 例文 | 訳 |
|---|---|---|---|
| 名詞的用法 | 主語や目的語になる | I want to drink some tea. | お茶が飲みたい |
| 形容詞的用法 | 直前の名詞を説明する | I have a lot of work to do. | やるべき仕事がたくさんある |
| 副詞的用法(目的) | 動詞に掛かり、目的を表す | She went to the library to study. | 彼女は勉強するために図書館へ行った |
| 副詞的用法(感情の原因) | 形容詞に掛かり、理由を表す | I’m glad to hear that. | それを聞いてうれしい |
文部科学省の中学校学習指導要領解説 外国語編も、to 不定詞を「名詞としての用法」「形容詞としての用法」「副詞としての用法」に分けて例文を並べています。
見分けるときの3つの問い
- to 以下が「何を」「何が」の答えになる → 名詞的用法
- 直前の名詞に「どんな〜?」と問うと to 以下が答えになる → 形容詞的用法
- to 以下が「何のために」「なぜ」の答えになる → 副詞的用法
用法の名前を暗記するより、to 以下が文の中のどの語に掛かっているかを見るほうが早く見分けられます。
同じ to study でも、置かれる場所が変わると働きも変わるのが不定詞の特徴です。
英語の不定詞の名詞的用法は「〜すること」
名詞的用法の to 不定詞は、文の中で名詞と同じ場所に入り、「〜すること」と訳せます。
動詞の目的語になる形
いちばんよく出てくるのは、want や decide のような動詞のすぐ後ろに置いて目的語にする形です。
British Council の LearnEnglish は、choose・decide・hope・learn・plan・want のような考えや気持ちを表す動詞の後ろに to 不定詞が来るとしている。
agree・promise・refuse のように、言うことを表す動詞も同じ形を取ります。
| 動詞 | 例文 | 訳 |
|---|---|---|
| want | I want to visit Kyoto again. | また京都を訪れたい |
| decide | We decided to take the early train. | 私たちは早い電車に乗ることに決めた |
| hope | I hope to see you soon. | 近いうちに会えるといいな |
| plan | They plan to open a new shop. | 彼らは新しい店を開く予定だ |
| learn | My son learned to ride a bike. | 息子は自転車に乗れるようになった |
| promise | He promised to call me tonight. | 彼は今夜電話すると約束した |
| refuse | She refused to answer the question. | 彼女はその質問に答えるのを断った |
| agree | We agreed to meet at the station. | 駅で会うことにした |
Cambridge の解説は、こうした動詞の一部は後ろに -ing の形が続くことも多いとしています。
動詞ごとに後ろの形が決まっているので、want to のように動詞と to をひとかたまりで覚えると迷いません。
文の主語になる形
To speak in front of many people is hard for me. のように、to 不定詞が文の主語になることもあります。
Cambridge の解説は、主語のない節で使う to 不定詞について、動作そのものより動作の考えや結果に焦点を当てる形としている。
ただ、主語が長くなると文の頭が重くなるので、次の章で紹介する It で始める形に組み替えられます。
目的語や主語といった文の骨組みから整理し直したいときは、5文型とSVOCの見分け方を先に見ておくと用法の区別がつけやすくなります。↓

英語の不定詞をIt is〜to…やhow toの形で使う
名詞的用法の to 不定詞は、It で始める文や疑問詞と組み合わせる形でもよく使われます。
It is〜to…の形
中学校学習指導要領解説は、文構造の1つとして「It+be動詞+〜(+for〜)+to不定詞」を挙げています。
文の頭に It を置いて評価や感想を先に言い、何についての評価かを後ろの to 不定詞で示す形です。
| 例文 | 訳 |
|---|---|
| It is fun to cook with friends. | 友だちと料理するのは楽しい |
| It is important to sleep well. | よく眠ることは大切だ |
| It was hard for me to get up early. | 私には早起きがつらかった |
| It is not easy for him to speak French. | 彼にとってフランス語を話すのは簡単ではない |
動作をする人をはっきりさせたいときは、to の前に for+人を入れます。
for の後ろの代名詞は、me・him・her のような目的格を使う点に注意しましょう。
疑問詞+to不定詞の形
how to swim のように疑問詞の後ろに to 不定詞を続けると、「どう〜すればよいか」というひとまとまりの名詞になります。
学習指導要領解説は、主語+動詞+how(など)to 不定詞と、主語+動詞+間接目的語+how(など)to 不定詞の2つを文構造として示しています。
- how to 〜:どうやって〜するか(例 I don’t know how to cook rice.)
- what to 〜:何を〜すればよいか(例 I can’t decide what to wear.)
- when to 〜:いつ〜すればよいか(例 Tell me when to start.)
- where to 〜:どこで〜すればよいか(例 Do you know where to buy tickets?)
- which to 〜:どれを〜すればよいか(例 I’m not sure which to choose.)
Could you show me how to use this machine? のように、show や tell の後ろに人を置いてから続ける形も自然です。
英語の不定詞の形容詞的用法は後ろから名詞を説明する
形容詞的用法の to 不定詞は、名詞のすぐ後ろに置いて「〜するための」「〜すべき」とその名詞を説明します。
名詞の後ろに置いて説明する
日本語では説明が名詞の前に来るので、語順が逆になる点がつまずきやすいところです。
名詞+to不定詞の例
| 例文 | 訳 | 説明される名詞 |
|---|---|---|
| I’d like something cold to drink. | 何か冷たい飲み物がほしい | something |
| She has a lot of homework to do. | 彼女にはやるべき宿題がたくさんある | homework |
| This is a good chance to learn English. | 英語を学ぶいい機会だ | chance |
| He made an attempt to climb the wall. | 彼は壁を登ろうと試みた | attempt |
| Is there anything to eat? | 何か食べるものはある? | anything |
LearnEnglish は、ability・attempt・chance・desire・need・opportunity・wish などの抽象的な名詞が後ろに to 不定詞を取るとしています。
something や no one のような不定代名詞の後ろにも、形容詞的用法の to 不定詞をよく置きます。
前置詞を最後に残す形
a chair to sit on や a friend to talk to のように、to 不定詞の最後に前置詞が残る形があります。
sit a chair とは言わず sit on a chair と言うので、名詞を前に出しても on は消えないという仕組みです。
- a house to live in:住むための家
- a pen to write with:書くためのペン
- someone to talk to:話し相手
- a chair to sit on:座るためのいす
Cambridge の解説も、持ってきたいすに座るという意味の文で a portable chair to sit on という形を使っている。
英語の不定詞の副詞的用法は目的と感情の原因を表す
副詞的用法の to 不定詞は、動詞や形容詞に掛かって「〜するために」「〜して」と意味を足します。
目的を表す形
LearnEnglish は、to 不定詞が「なぜ?」に答えて目的を表すとしている。
| 例文 | 訳 |
|---|---|
| I got up early to catch the first bus. | 始発のバスに乗るために早起きした |
| She saved money to buy a camera. | 彼女はカメラを買うためにお金をためた |
| We went to the park to play tennis. | テニスをしに公園へ行った |
| He studied hard in order to pass the test. | 彼はテストに受かるために一生懸命勉強した |
目的であることをはっきりさせたいときは、to の代わりに in order to や so as to を使えます。
「〜しないように」と言うときは、in order not to や so as not to の形にします。
I closed the door quietly so as not to wake my parents. は「両親を起こさないように静かにドアを閉めた」という意味になります。
感情の原因を表す形
glad や surprised のような気持ちを表す形容詞の後ろに to 不定詞を置くと、「〜して」とその気持ちになった理由を表せます。
| 形容詞 | 例文 | 訳 |
|---|---|---|
| glad | I’m glad to be back home. | 家に戻れてうれしい |
| surprised | She was surprised to hear the news. | 彼女はその知らせを聞いて驚いた |
| sorry | I’m sorry to hear that. | それはお気の毒に |
| disappointed | He was disappointed to lose the game. | 彼は試合に負けてがっかりした |
| proud | We are proud to work here. | ここで働けることを誇りに思う |
LearnEnglish は、amazed・delighted・happy・pleased・relieved・sad なども同じように理由を示す to 不定詞を取る形容詞として挙げています。
形容詞+to不定詞の決まった形
able・ready・willing・likely のように、後ろに to 不定詞を取る形で使うことが多い形容詞もあります。
- be able to 〜:〜することができる
- be ready to 〜:〜する準備ができている
- be willing to 〜:進んで〜する
- be likely to 〜:〜しそうだ
- be eager to 〜:しきりに〜したがる
I’m ready to go. のように、形容詞と to をセットで覚えると会話でもそのまま使えます。
英語の不定詞を動詞+人+toの形で使う動詞
want や tell の後ろに人を置いてから to 不定詞を続けると、「人に〜してほしい」「人に〜するように言う」という意味になります。
学習指導要領解説も、「主語+tell,want など+目的語+to不定詞」を文構造の1つとして挙げています。
| 動詞 | 例文 | 訳 |
|---|---|---|
| want | I want you to come with me. | あなたに一緒に来てほしい |
| tell | My mother told me to clean my room. | 母は私に部屋を片づけるように言った |
| ask | He asked us to wait outside. | 彼は私たちに外で待つように頼んだ |
| advise | The doctor advised her to rest. | 医者は彼女に休むよう勧めた |
| encourage | My teacher encouraged me to try again. | 先生は私にもう一度挑戦するよう励ました |
| remind | Please remind me to buy milk. | 牛乳を買うのを忘れないよう言ってね |
LearnEnglish は、このほかに expect・invite・order・persuade・warn・would like なども、直接目的語の後ろに to 不定詞を取る動詞としている。
to 不定詞の動作をするのは、主語ではなく間に入った人のほうです。
I want to go. は自分が行きたい、I want him to go. は彼に行ってほしい、と動作する人が入れ替わります。
英語の原形不定詞はtoを付けずに使う
原形不定詞は to を付けない動詞の原形のことで、決まった語の後ろでだけ使います。
助動詞の後ろ
Cambridge の解説は、can・could・may・might・will・shall・would・should・must の後ろでは to を付けない形を使うとしている。
| 助動詞 | 例文 | 訳 |
|---|---|---|
| can | She can play the piano. | 彼女はピアノが弾ける |
| will | I will call you later. | あとで電話するね |
| should | You should take a break. | 少し休んだほうがいい |
| must | We must leave now. | もう出なければならない |
can to play とは言わない
make・let・helpの後ろ
同じ解説は、let と make の後ろでも to を付けない形を使い、help の後ろでは to を付けても付けなくてもよいとしています。
- make+人+原形:人に(強制的に)〜させる(例 My boss made me rewrite the report.)
- let+人+原形:人に(望みどおり)〜させてあげる(例 Let me check the schedule.)
- help+人+(to)原形:人が〜するのを手伝う(例 I helped my sister (to) move the desk.)
学習指導要領解説も、主語+動詞+目的語+原形不定詞を文構造の1つとして扱っています。
make me to rewrite のように to を入れると誤りになるので、make と let の後ろは原形だけと覚えておきましょう。
英語の不定詞の否定と完了形と受け身の形
不定詞には、not を付けた否定の形と、to have+過去分詞の完了形、to be+過去分詞の受け身の形があります。
否定は to の前に not
不定詞を打ち消すときは、not を to の直前に置きます。
- I decided not to go out today.(今日は出かけないことにした)
- She told me not to worry.(彼女は私に心配しないでと言った)
- Be careful not to drop it.(落とさないように気をつけて)
目的を打ち消す in order not to や so as not to も、not の位置は同じく to の直前です。
完了不定詞の形
Cambridge の解説は、完了不定詞を to have+動詞の -ed 形(過去分詞)で作るとしている。
claim・expect・hate・hope・like・love・prefer・pretend のような動詞の後ろで使われ、過去にあったかもしれないことを指すことが多い形です。
未来のある時点までに終わっていることを表す使い方もあります。
| 例文 | 訳 | 指している時 |
|---|---|---|
| He claims to have seen a UFO. | 彼はUFOを見たと言い張っている | 過去 |
| She pretended to have read the book. | 彼女はその本を読んだふりをした | 過去 |
| I hope to have saved enough money by next summer. | 来年の夏までに十分なお金をためておきたい | 未来の時点 |
受け身の不定詞の形
受け身の不定詞は、to be+過去分詞で「〜される」という意味を表します。
Cambridge の解説は、動作を受ける人に焦点を当てたいときや、動作をする人を言いたくないときに受け身の不定詞を使うとしている。
- I don’t want to be called by my first name at work.(職場では下の名前で呼ばれたくない)
- This letter needs to be sent today.(この手紙は今日送られる必要がある)
- There are many dishes to wash / to be washed.(洗うべき皿がたくさんある)
There is〜の文で義務を表すときは、能動の to do と受け身の to be done の違いがごく小さいことも多いとされています。
be+過去分詞の作り方そのものを確かめたいときは、受け身(受動態)の型と例文の一覧で基本の形を見直しておきましょう。↓

英語の不定詞でまちがえやすい4つのポイント
ここまでの規則のうち、英作文や会話で特にまちがえやすいものを4つにまとめます。
| 誤り | 正しい形 | ポイント |
|---|---|---|
| He wants to goes home. | He wants to go home. | to のあとは原形 |
| We might to buy it. | We might buy it. | 助動詞の後ろに to は付けない |
| She made me to wait. | She made me wait. | make・let の後ろは原形 |
| This is useful for clean the room. | This is useful for cleaning the room. | 前置詞の後ろは -ing |
Cambridge の解説は、助動詞の後ろに to 不定詞を使わないことと、前置詞の後ろに不定詞を置かないことを典型的な誤りとして挙げています。
前置詞の後ろに動作を続けたいときは、不定詞ではなく -ing の形に変えます。
書いた英文を見直すときは、to の直後と助動詞の直後と前置詞の直後の3か所だけを順に確かめると、誤りを見つけやすくなります。
英語の不定詞でよくある質問
Q. 3用法の見分け方のコツ
A. to 以下が「何を」に答えれば名詞的用法、直前の名詞を説明していれば形容詞的用法、「何のために」「なぜ」に答えていれば副詞的用法と考えると見分けやすくなります。
Q. 用法の名前は覚えるべき?
A. 名前そのものより、to 以下がどの語に掛かっているかをつかめているかのほうが、読む・書くうえでは役に立ちます。
Q. helpの後ろにtoは要る?
A. Cambridge の解説は、help の後ろは to を付けても付けなくてもよいとしているので、I helped him carry the box. も I helped him to carry the box. も使えます。
Q. 完了不定詞はいつ使う?
A. to have+過去分詞の形は、主な動詞より前に起きた(かもしれない)ことや、未来のある時点までに終わることを言いたいときに使います。
参考文献
- Infinitives with and without to(English Grammar Today)(Cambridge Dictionary)
- Perfect infinitive with to: to have worked(English Grammar Today)(Cambridge Dictionary)
- Infinitive: active or passive?(English Grammar Today)(Cambridge Dictionary)
- ‘to’-infinitives(English grammar reference)(British Council LearnEnglish)
- 中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編(文部科学省)
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