旅行先や海外赴任中に体調を崩し、病院の受付で何と言えばいいのかわからず立ち尽くす。これは英語が得意な人にも起こります。体調が悪いときは頭が回らず、ふだん使える表現ほど出てこなくなるからです。
この記事では、病院で使う英語を「受付 → 症状 → いつから → 薬 → 診療科 → 相手の質問」の順に並べ、そのまま読み上げられる形でまとめました。症状の言い方は一覧表にしてあるので、スマートフォンで開いて指差すだけでも使えます。なお、この記事が扱うのは英語の言い方だけで、診断や治療の内容には触れません。
病院で使う英語は「受付・症状・相手の質問」の3つに絞ると迷わない
最初に結論を書きます。病院の英語で本当に必要なのは、受付で用件を言う文が2つ、症状を言う文が1つの型、そして相手の質問を聞き取る力の3つだけです。流暢に話す必要はなく、単語を正しく並べれば伝わります。
覚える順番は次のとおりです。上から順に、使う頻度が高い順に並んでいます。
- I’d like to see a doctor.(診てもらいたい)=受付の第一声
- I have 〜.(〜の症状があります)=症状の言い方の骨格
- It started 〜.(〜から始まりました)=いつからの答え方
- I’m allergic to 〜.(〜のアレルギーがあります)=必ず伝える情報
- I’m taking 〜.(〜を服用中です)=いま飲んでいる薬
この5つの型に単語を入れ替えるだけで、ほとんどの場面をしのげます。以下では、入れ替える単語のほうを一覧にしていきます。
病院の受付で使う英語フレーズ一覧
受付では、来院の理由・予約の有無・保険の有無の3つを確認されます。順番はほぼ決まっているので、聞かれる前にこちらから言ってしまうと早く進みます。
| 言いたいこと | 英語の例文 | 補足 |
|---|---|---|
| 診てもらいたい | I’d like to see a doctor. | いちばん短い第一声 |
| 予約している | I have an appointment at ten. | 時刻は数字だけでも通じる |
| 予約していない | I don’t have an appointment. | walk-in(予約なし来院)とも言う |
| 今日いま診てほしい | Is there any way I can be seen today? | be seen は「診てもらう」の受け身 |
| 旅行者である | I’m a tourist from Japan. | 手続きが変わるので先に言う |
| 海外の保険がある | I have travel insurance. | 証券の画面を見せると早い |
| 初診である | This is my first visit. | 用紙の記入を案内される |
| 日本語の通訳を頼む | Is a Japanese interpreter available? | interpreter は通訳者 |
| 付き添いがいる | My wife is coming with me. | coming with me で同行を表す |
受付で最も強い一言は I’d like to see a doctor. です。症状を説明できなくても、この1文と保険証やパスポートを見せれば手続きは始まります。
病院の英語で書かされる用紙の項目
受付では問診票に記入を求められます。欄の名前は病院が変わってもほぼ同じで、次の語が並びます。Date of birth(生年月日)、Reason for visit(来院理由)、Current medications(服用中の薬)、Known allergies(わかっているアレルギー)、Past surgeries(過去の手術)、Emergency contact(緊急連絡先)。Reason for visit の欄には、文章ではなく Fever(発熱)のような単語を1つ書けば足ります。
症状を英語で伝える一覧表|熱・頭痛・喉・吐き気
症状の言い方は I have 〜. の形にほぼ集約されます。例外は「〜が痛い」を動詞で言う場合で、My throat hurts. のように hurt を使います。I have 〜. と My 〜 hurts. の2つを持っていれば、体の不調はだいたい言えます。
| 症状 | 英語 | 文にした例 |
|---|---|---|
| 熱がある | a fever | I have a fever. |
| 高熱 | a high fever | I’ve had a high fever since last night. |
| 寒気がする | chills | I have chills. |
| 頭痛 | a headache | I have a bad headache. |
| めまい | dizzy | I feel dizzy when I stand up. |
| 喉の痛み | a sore throat | I have a sore throat. |
| 咳 | a cough | I have a dry cough. |
| 鼻水 | a runny nose | I have a runny nose. |
| 鼻づまり | a stuffy nose | My nose is stuffy. |
| 吐き気 | nauseous | I feel nauseous. |
| 嘔吐した | threw up | I threw up twice this morning. |
| 下痢 | diarrhea | I’ve had diarrhea since yesterday. |
| 腹痛 | a stomachache | I have a stomachache. |
| 発疹 | a rash | I have a rash on my arm. |
| 息苦しい | short of breath | I’m short of breath. |
| 疲れが取れない | fatigue | I’ve been feeling very tired. |
冠詞に注意が要ります。a headache、a fever、a cough のように a が付くもの(数えられる不調)と、chills や diarrhea のように付かないものがあります。冠詞を間違えても意味は通じるので、単語のほうを優先して覚えてください。
体の部位を英語で言う
痛む場所は My 〜 hurts. の 〜 に部位を入れます。head(頭)、throat(喉)、chest(胸)、stomach(腹・胃)、back(背中・腰)、lower back(腰)、shoulder(肩)、knee(膝)、ankle(足首)、wrist(手首)、tooth(歯)、ear(耳)、eye(目)。日本語の「お腹」は stomach、「腰」は lower back で表すのが実際の言い方に近く、waist(胴のくびれ)を使うと別の場所を指してしまいます。
痛みの種類を英語で言い分ける
痛みは強さだけでなく「どんな痛みか」を聞かれます。日本語の「ズキズキ」「チクチク」に当たる語があり、これを言えると説明が一気に短くなります。
| 日本語 | 英語 | 例文 |
|---|---|---|
| ズキズキする | throbbing | It’s a throbbing pain. |
| 鋭い・刺すような | sharp | I have a sharp pain here. |
| 鈍い | dull | It’s a dull ache. |
| 焼けるような | burning | There’s a burning feeling in my chest. |
| 締めつけられる | tight | My chest feels tight. |
| ヒリヒリする | stinging | It’s a stinging pain. |
| 押すと痛い | tender | It’s tender when I press it. |
| ときどき痛む | comes and goes | The pain comes and goes. |
| ずっと痛い | constant | The pain is constant. |
| 広がる痛み | radiating | The pain radiates to my shoulder. |
痛みの強さは On a scale of one to ten, how bad is the pain? と数字で聞かれます。答えは About a seven. のように数字だけで構いません。この10段階の質問は世界中で共通して使われるので、覚えておくと必ず役に立ちます。
「いつから」「どのくらい」を英語で答える
受付でも診察室でも必ず聞かれるのが When did it start?(いつからですか)と How long has it been going on?(どのくらい続いていますか)です。答えは since と for で作ります。since は起点、for は長さ。この使い分けだけで両方の質問に答えられます。
- since+時点:since last night(昨夜から)/since Monday(月曜から)/since this morning(今朝から)
- for+期間:for three days(3日間)/for about a week(1週間ほど)/for a couple of hours(2〜3時間)
- 回数:three times a day(1日3回)/once in a while(ときどき)/every night(毎晩)
- 変化:It’s getting worse.(悪くなっている)/It’s about the same.(変わらない)/It’s a little better today.(今日は少し楽)
きっかけを聞かれたら Did anything trigger it? と言われます。trigger は「引き金になる」という意味で、It started after I ate seafood.(海鮮を食べたあとから)のように after を使って答えます。
薬について英語で聞かれること・聞くこと
薬の話では、いま飲んでいるもの、アレルギー、飲み方の3点が必ず出ます。服用中の薬は I’m taking 〜. で、アレルギーは I’m allergic to 〜. で伝えます。
| 場面 | 英語の例文 |
|---|---|
| 服用中の薬がある | I’m taking medication for high blood pressure. |
| 薬は飲んでいない | I’m not taking any medication. |
| 薬のアレルギーがある | I’m allergic to penicillin. |
| 妊娠中である | I’m pregnant. |
| 飲み方を聞く | How often should I take this? |
| 食前か食後か聞く | Should I take it before or after meals? |
| 何日分か聞く | How many days is this for? |
| 眠くなるか聞く | Will this make me drowsy? |
| 飲み忘れたとき | What should I do if I miss a dose? |
| 処方箋をもらう | Could I get a prescription? |
薬の説明でよく出る語をまとめます。prescription は処方箋、dose は1回分の量、side effect は副作用、over-the-counter は処方箋なしで買える薬、tablet は錠剤、capsule はカプセル、ointment は塗り薬、eye drops は目薬です。説明書には Take one tablet three times a day after meals. のように書かれます。この形を知っていれば、数字と回数だけ読み取れば足ります。
服用中の薬は、名前を英語で言おうとするより、薬のシートや写真を見せるほうが正確に伝わります。成分名はどの国でもほぼ同じ表記なので、現物が最強の資料になります。
診療科の英語一覧|どこへ行けばいいかを言う
受付で「何科ですか」と聞かれたときや、案内表示を読むときに必要になるのが診療科の名前です。科の名前は -ology(学問)や -iatrics(〜科の医療)で終わる語が多く、規則が見えると覚えやすくなります。
| 日本語 | 英語(科) | 医師の呼び方 |
|---|---|---|
| 内科 | Internal Medicine | internist |
| 外科 | Surgery | surgeon |
| 小児科 | Pediatrics | pediatrician |
| 整形外科 | Orthopedics | orthopedist |
| 皮膚科 | Dermatology | dermatologist |
| 眼科 | Ophthalmology | ophthalmologist |
| 耳鼻咽喉科 | ENT(Otolaryngology) | ENT specialist |
| 歯科 | Dentistry | dentist |
| 産婦人科 | Obstetrics and Gynecology | OB-GYN |
| 精神科 | Psychiatry | psychiatrist |
| 泌尿器科 | Urology | urologist |
| 循環器科 | Cardiology | cardiologist |
| 救急 | Emergency Room(ER) | emergency physician |
最初にかかる医師は家庭医と呼ばれ、GP(general practitioner)や primary care physician と言います。専門科にかかるには、この家庭医からの referral(紹介)が要る国もあります。自分で科を選べないときは I’m not sure which department I should go to. と言えば、受付が振り分けてくれます。
医師や看護師の英語を聞き取る一覧
診察室では、こちらが話す時間より聞かれる時間のほうが長くなります。聞かれる内容は決まっているので、質問を先に覚えておけば会話の主導権を失いません。
| 相手の英語 | 意味 | 答え方の例 |
|---|---|---|
| What brings you in today? | 今日はどうされましたか | I have a fever and a cough. |
| Where does it hurt? | どこが痛みますか | Right here.(指差す) |
| When did it start? | いつからですか | Since yesterday morning. |
| Have you taken anything for it? | 何か薬は飲みましたか | I took a painkiller last night. |
| Any allergies? | アレルギーはありますか | I’m allergic to penicillin. |
| Are you on any medication? | 服用中の薬はありますか | No, I’m not. |
| Does this hurt? | ここは痛みますか | Yes, a little. / No. |
| Take a deep breath. | 深呼吸してください | (動作で応じる) |
| Roll up your sleeve. | 袖をまくってください | (動作で応じる) |
| Any history of this? | これまでに同じことは | This is the first time. |
| I’d like to run a few tests. | いくつか検査をします | Okay. |
| Come back if it gets worse. | 悪くなったら再度来てください | I will, thank you. |
聞き取れなかったときに黙るのがいちばん危険です。Could you say that again, please? か Could you write it down? と頼んでください。書いてもらえば、その場でスマートフォンの辞書に入れて確認できます。
病院の英語によくある質問
Q. 病院の英語で「診てもらう」は see と check のどちらですか
see を使います。I’d like to see a doctor. が自然な言い方で、check は書類や数値を確認するときの語です。医師の側から言うときは Let me take a look. や I’d like to examine you. となります。examine は体を診るという意味の改まった語で、診察という名詞は examination です。
Q. 英語で「気分が悪い」は I’m sick と I feel sick のどちらですか
どちらも使われますが、意味がずれることがあります。I’m sick は「病気である」という状態、I feel sick は「気分が悪い」で、地域によっては吐き気を指します。吐き気だとはっきり伝えたいときは I feel nauseous. と言うと誤解がありません。I don’t feel well. はどの意味にも取れる安全な言い方です。
Q. 病院の英語で単語が出てこないときはどうすればいいですか
体の部位を指差して It hurts here. と言えば、場所だけは確実に伝わります。そのうえで、痛みの種類を1語だけ足します。sharp(鋭い)か dull(鈍い)のどちらかを言えるだけで情報量が大きく増えます。文を作ろうとせず、単語を1つずつ置いていくほうが伝わります。
Q. 英語で症状をメモしていくなら何を書いておけばいいですか
書いておく項目は5つです。症状の名前(fever、headache など)、いつから(since yesterday)、強さ(10段階の数字)、服用中の薬の名前、アレルギーの有無。この5つを紙かスマートフォンのメモに英語で書いておけば、受付でも診察室でも見せるだけで通じます。体調が悪いときほど言葉は出なくなるので、元気なうちに用意しておくのが現実的な備えです。
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