「背が高い」を「もっと背が高い」に変えたいだけなのに、taller なのか more tall なのかで手が止まる。英語の比較級でつまずく人の多くは、この最初の分かれ道で迷っています。-er を付けるか more を前に置くかは感覚で決めるものではなく、その形容詞が何音節かというはっきりした基準で決まります。
この記事では、英語の比較級と最上級の作り方を一覧表で整理し、つづりが変わる型、丸暗記が要る不規則変化、than の置き方、as 〜 as の原級比較、最上級に the が付く場合と付かない場合、そして比較級を強めるときに very が使えない理由までをまとめます。例文はすべてこの記事のために作った短い文で、そのまま口に出せる長さにしてあります。
英語の比較級と最上級は「音節の数」で作り方が決まる
結論から書きます。短い語には -er / -est を付け、長い語には more / most を前に置く。その長短を測る物差しが音節の数です。音節とは、母音を中心とした発音のかたまりのことで、tall は1音節、fa-mous は2音節、beau-ti-ful は3音節と数えます。
おおよその線引きは次のとおりです。1音節の語は -er / -est。3音節以上の語は more / most。2音節の語はどちらもあり得るので、語尾の形で判断します。迷ったら more を選んでおけば、意味が通じないという事態にはまずなりません。ただし good や big のようによく使う短い語で more を付けると、すぐに不自然だと分かる形になります。
- 原級=そのままの形(tall、famous)。比べていない状態を表します
- 比較級=2つを比べて「より〜だ」と言う形(taller、more famous)
- 最上級=3つ以上の中で「いちばん〜だ」と言う形(tallest、most famous)
この3つは、形容詞だけでなく副詞にも同じ考え方が当てはまります。fast は形容詞でも副詞でも faster / fastest になり、carefully のような -ly で終わる副詞は more carefully / most carefully になります。
英語の比較級・最上級の作り方一覧表|-erとmoreの分かれ目
音節の数と語尾で、どちらの型になるかを表にまとめました。この表を先に頭に入れておくと、個別の単語で迷う回数が目に見えて減ります。
| 音節数・語尾 | 作り方 | 原級 | 比較級 | 最上級 |
|---|---|---|---|---|
| 1音節 | -er / -est | young | younger | youngest |
| 1音節 | -er / -est | cheap | cheaper | cheapest |
| 2音節・-y で終わる | y を i にして -er / -est | noisy | noisier | noisiest |
| 2音節・-er / -le / -ow で終わる | -er / -est | gentle | gentler | gentlest |
| 2音節・-ful / -ous / -ing / -ed で終わる | more / most | careful | more careful | most careful |
| 3音節以上 | more / most | expensive | more expensive | most expensive |
| -ly で終わる副詞 | more / most | quietly | more quietly | most quietly |
例外として、2音節でも両方の形が使われる語があります。clever は cleverer とも more clever とも言い、simple、quiet、common なども同じです。どちらを使っても誤りにはならないので、言いやすいほうを選んで構いません。
音節の数え方は母音の「音」で数える
音節はつづりの文字数ではなく、発音したときの母音の数で数えます。たとえば strange はアルファベットが7文字ありますが、母音の音は1つなので1音節です。だから stranger / strangest という形になります。
逆に easy は5文字ですが、ea と y で母音の音が2つあるので2音節です。-y で終わる2音節なので easier / easiest になります。文字数ではなく声に出したときの区切りの数、と覚えておくと判断を間違えません。
英語の比較級で変わるつづりの3パターン
-er / -est を付けるとき、語尾のつづりが変わることがあります。変化の型は次の3つしかありません。
語尾が「子音+y」なら y を i に変える
dry は drier / driest、lucky は luckier / luckiest になります。ただし y の前が母音のときは変えません。gray は grayer / grayest です。y の直前が母音か子音かだけを見れば、この判断は一瞬で終わります。
語尾が「短母音+子音1つ」なら子音を重ねる
thin は thinner / thinnest、wet は wetter / wettest、sad は sadder / saddest です。短い母音を1つの子音がしめくくっている形のときだけ、その子音を2つ重ねます。
母音が2つ並んでいるときは重ねません。cheap は cheaper であって cheapper にはなりません。子音が2つ並んでいるときも重ねません。fast は faster です。
語尾が e なら -r / -st だけを足す
nice は nicer / nicest、wide は wider / widest、pale は paler / palest です。すでに e があるので、e を重ねて -eer とはしません。
| 語尾の形 | やること | 例(比較級) | やりがちな誤り |
|---|---|---|---|
| 子音+y | y を i にして -er | heavy → heavier | heavyer |
| 母音+y | そのまま -er | shy → shyer | shier と迷う(どちらも見かけるが shyer が標準) |
| 短母音+子音1つ | 子音を重ねて -er | flat → flatter | flater |
| 長母音や母音2つ+子音 | そのまま -er | clean → cleaner | cleanner |
| e で終わる | -r だけ足す | brave → braver | braveer |
英語の不規則変化の比較級・最上級は暗記するしかない
形がまったく変わってしまう語が少数あります。数は多くありませんが、どれも使用頻度が高いので、この表だけは声に出して覚えてしまうのが早道です。
| 原級 | 比較級 | 最上級 | 意味と使い分け |
|---|---|---|---|
| good / well | better | best | good は形容詞、well は副詞と体調。変化形は共通 |
| bad / badly | worse | worst | 悪い・ひどい。体調が悪いときにも使う |
| many / much | more | most | many は数えられる名詞、much は数えられない名詞 |
| little | less | least | 量が少ない。数が少ないときは few → fewer → fewest |
| far | farther / further | farthest / furthest | farther は距離、further は程度や追加 |
| old | older / elder | oldest / eldest | elder は家族の年齢順にだけ使う限定用法 |
| late | later / latter | latest / last | later は時間、latter は順序の「後者」 |
far の2つの形は、距離なら farther、話を先へ進める意味なら further と覚えると迷いません。My hometown is farther than I thought.(思っていたより遠い)と、We need further information.(さらに情報が要る)のように使い分けます。ただし距離の意味でも further を使う話者は多く、間違いとまでは言われません。
late の列も混同が多い組です。The later train was crowded.(あとの電車は混んでいた)は時間、The latter option sounds safer.(後者の選択肢のほうが安全そうだ)は2つのうちの後ろという意味で、まったく別の語として扱います。
英語の比較級で than を置く位置と、比べる相手のそろえ方
比較級とセットで使うのが than です。形そのものは単純で、比較級の直後に than を置き、その後ろに比べる相手を書くだけです。難しいのは形ではなく、比べる相手が食い違っていないかという点にあります。
than の後ろは「同じ種類のもの」にそろえる
My room is smaller than my sister’s.(私の部屋は姉の部屋より狭い)。ここで than my sister と書いてしまうと、部屋と姉を比べる文になってしまいます。所有代名詞やアポストロフィ+s を使って、部屋と部屋を比べる形にします。
同じ理由で、The weather in May is milder than in March.(5月の天気は3月より穏やかだ)では in を残します。than の後ろに何を置くかは、前半で比べているものと同じ種類かどうかで決まります。
than の後ろの代名詞は主格でも目的格でもよい
He runs faster than I do. と He runs faster than me. は、どちらも通じます。前者は後ろに do を補った形で、書き言葉や改まった場面で好まれます。後者は会話でよく使われる形です。
なお、比較級の文に more を重ねてはいけません。more taller、more better といった形は誤りで、これは英語の比較級で最も多い間違いのひとつです。
英語の原級比較 as 〜 as と not as 〜 as の使い方
同じくらいだと言いたいときは、比較級ではなく原級を使います。形は as + 原級 + as です。2つの as の間に入るのは、-er の付かないもとの形だと決まっています。
This bag is as light as a feather.(このかばんは羽のように軽い)/ She speaks as clearly as her teacher.(彼女は先生と同じくらいはっきり話す)。形容詞でも副詞でも同じ形が使えます。
否定にすると「〜ほどではない」という意味になる
not as 〜 as は「同じではない」ではなく「〜ほどではない」という下向きの意味になります。Today is not as windy as yesterday.(今日は昨日ほど風が強くない)は、昨日のほうが風が強かったことを表します。
この文は Today is less windy than yesterday. とも言い換えられますが、日常会話では not as 〜 as のほうがずっとよく使われます。less を使った比較は、書き言葉や対比を強調したい場面に向いています。
倍数は as の前に置く
「2倍」は twice as 〜 as、「3倍」以上は three times as 〜 as のように、数を表す語を最初の as の前に置きます。This room is twice as wide as that one.(この部屋はあの部屋の2倍の広さだ)。「半分」は half as 〜 as です。
| 言いたいこと | 形 | 例文 |
|---|---|---|
| 同じくらい〜だ | as + 原級 + as | His desk is as tidy as mine. |
| 〜ほど…ではない | not as + 原級 + as | This soup is not as salty as it looks. |
| 2倍〜だ | twice as + 原級 + as | The blue box is twice as heavy as the red one. |
| できるだけ〜に | as + 原級 + as possible | Please answer as soon as possible. |
| 〜と同じ数だけ | as many + 複数名詞 + as | I have as many cards as you do. |
英語の最上級に the が要る場合・要らない場合
最上級には the を付ける、と習います。これは形容詞の最上級については、おおむねそのとおりです。She is the youngest in the group.(彼女はグループでいちばん年下だ)。ただし the が落ちる場面が3つあり、そこを知らないと誤りに見えてしまいます。
同じものの中で比べるときは the を付けない
This river is deepest near the bridge.(この川は橋の近くでいちばん深い)。ここで比べているのは他の川ではなく、同じ川の場所どうしです。他と区別する必要がないので the が落ちます。
所有格や副詞の最上級では the を省くことがある
my best friend のように所有格が前に来るときは、the を重ねません。また、副詞の最上級では the を付けても付けなくても構わない場合があります。He arrived earliest of all.(彼がみんなの中でいちばん早く着いた)。
most が「非常に」の意味になるときは a が付く
It was a most useful lesson. の most は最上級ではなく、very に近い強調の意味です。a most 〜 の形を見たら「いちばん」ではなく「とても」と読みます。the most であれば本来の最上級です。
英語の比較級を強めるときに very が使えない理由
「ずっと大きい」と強めたいとき、very bigger とは言えません。very が修飾できるのは原級だけで、比較級を強めるには別の語を使います。使うのは much、far、a lot、even、still、by far などです。
| 強める語 | 付く先 | 例文 | ニュアンス |
|---|---|---|---|
| much | 比較級 | This chair is much lighter. | 標準的な強め方。書き言葉でも使える |
| far | 比較級 | The second test was far harder. | much より差が大きい感じ |
| a lot | 比較級 | I feel a lot better now. | 会話でよく使う |
| even / still | 比較級 | The next question was even harder. | すでに〜なのにさらに、という含み |
| by far | 最上級 | It was by far the longest day. | 最上級を強める定番 |
| very | 原級・最上級 | the very best seat | 比較級には付かないが、the very + 最上級は可 |
the very best のように、very が最上級に付く形は成り立ちます。ここでの very は「まさに」という意味で、最上級をさらに一押しする働きをしています。very が使えないのは比較級のときだけ、と覚えておけば十分です。
①不規則変化の表にある語かを確かめる ②なければ音節を数える ③1音節なら語尾のつづりを見て -er を足す ④3音節以上なら more を前に置く。この4手順で、初めて見る形容詞でも形を決められます。
英語の原級・比較級・最上級は同じ内容を言い換えられる
「この中でいちばん速い」という同じ事実を、3つの形すべてで言い表せます。書き換え問題で問われるのはこの対応関係です。
- 最上級=Ken is the fastest runner in our club.
- 比較級=Ken runs faster than any other runner in our club.
- 比較級(主語を入れ替え)=No other runner in our club runs faster than Ken.
- 原級=No other runner in our club runs as fast as Ken.
注意点が2つあります。ひとつは、比較級で any other を使うときに後ろを単数形にすること。any other runners ではなく any other runner です。もうひとつは、no other を使う文では主語が入れ替わるので、誰が速いのかを取り違えないことです。
なお、最上級に in を使うか of を使うかは後ろの語で決まります。場所や集団のように範囲を表す語なら in the world、in my class。複数のものを並べた集合なら of the three、of all the members のように of を使います。
英語の比較級・最上級についてよくある質問
Q. 英語の比較級で more と -er のどちらを使うか、確実に決める方法はありますか
音節を数えるのが最も確実です。1音節なら -er、3音節以上なら more で、迷うのは2音節の語だけに絞られます。その2音節も、-ful、-ous、-ing、-ed、-ly で終わるなら more、-y、-le、-er、-ow で終わるなら -er と覚えれば、ほとんどの語をさばけます。
Q. 英語の比較級に the が付くことはありますか
あります。The sooner, the better.(早ければ早いほどよい)のように、the + 比較級を2つ並べる形では the が必要です。また、2つのうちの一方を特定する場合にも the が付き、She is the taller of the two sisters.(2人の姉妹のうち背が高いほうだ)という形になります。
Q. 英語の最上級で in と of の使い分けが分かりません
後ろに来る語が「範囲・場所・集団」なら in、「同じ種類のものの集まり」なら of です。in Japan、in our team は範囲なので in。of the four、of all my shoes は同類の集まりなので of になります。判断に迷ったら、後ろの語が単数の場所を指すか複数のものを指すかを見ると分かりやすくなります。
Q. 英語の比較級を使わずに差を表す言い方はありますか
あります。差そのものを数値で示す言い方で、My brother is three years older than me. のように比較級の前に差を置く形が代表的です。また、The room is 2 meters wider. のように単位を添えることもできます。原級を使って The two boxes are the same size. と言えば、差がないことを表せます。
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