「月曜日に」は on Monday なのに「3時に」は at three。「東京に」は in Tokyo なのに「駅に」は at the station。日本語ではどれも「に」の一語で済むものが、英語では前置詞ごとに分かれます。英語の前置詞が難しく感じるのは数が多いからではなく、日本語の助詞と一対一で対応していないからです。
この記事では、英語の前置詞のうち使用頻度が高い in・on・at を時間と場所の両面から整理し、by と until、for と during と since、to と for といった紛らわしい組の違いを一覧表で示します。さらに時間・場所・方向・その他に分けた前置詞の一覧と、前置詞の後ろに動詞を置きたいときの形までをまとめます。
英語の前置詞 in・on・at は「範囲の広さ」で選ぶと一本化できる
結論から書きます。in・on・at の使い分けは、時間でも場所でも「広い順に in、次に on、いちばん狭い点が at」という同じ物差しで説明できます。時間の規則と場所の規則を別々に暗記する必要はありません。
時間なら、年や月のような長い区切りが in、日付や曜日のような1日単位が on、時刻という一点が at。場所なら、都市や国のように中に入り込める空間が in、机や壁のように面に接しているのが on、地図上の点として指せる地点が at。広さが狭まるにつれて in → on → at と移っていく、この一本の流れだけを覚えます。
- in=中に包まれているイメージ(空間・期間の内側)
- on=面に接しているイメージ(表面・特定の1日)
- at=点を指すイメージ(地点・時刻)
前置詞は単独では意味を持たず、後ろに置いた名詞とセットではじめて意味が決まります。前置詞+名詞のかたまりは、文の骨組みそのものにはならず、場所や時を補う修飾語として働きます。
英語の前置詞を時間で使い分ける|in・on・atの境目
時間を表すときの3つの境目を表にまとめました。ここに載っている型を押さえれば、日常の英文でつまずくことはほとんどなくなります。
| 前置詞 | 付ける時間の単位 | 例 | 例文 |
|---|---|---|---|
| in | 年・月・季節・世紀 | in 2011、in April、in winter | The building opened in April. |
| in | 午前・午後・夕方 | in the morning、in the evening | She studies in the morning. |
| on | 日付・曜日・特定の日 | on Tuesday、on May 3 | We have a rehearsal on Tuesday. |
| on | 特定の日の時間帯 | on Monday morning | The delivery came on Monday morning. |
| at | 時刻・一点の時 | at 7:30、at noon、at midnight | The gate closes at 7:30. |
| at | 夜・週末(英国式では at the weekend) | at night | The street is quiet at night. |
注意したいのが、表の4行目です。in the morning は原則 in ですが、特定の1日と結びつくと on に変わります。on Friday afternoon、on the morning of the ceremony のように、日が特定された瞬間に on の縄張りになります。
もうひとつ、前置詞を付けてはいけない語があります。this、next、last、every、tomorrow、yesterday が付くときは前置詞を置きません。in next week、on yesterday とは言わず、next week、yesterday とそのまま置きます。
The bus will leave in ten minutes.(バスは10分後に出る)。この in は期間の内側ではなく、現在を起点にした経過時間を表します。未来の文でよく使われる形です。
同じ「10分で」でも、within ten minutes と言えば「10分以内に」という上限の意味になります。in は経過した後の一点、within はそれまでの幅を指すという違いがあります。
英語の前置詞を場所で使い分ける|広さと接触で決まる
場所も同じ物差しで並びます。ただし on には「接している」という独自の感覚が加わるので、そこだけ別に押さえます。
| 前置詞 | イメージ | 使う場面 | 例文 |
|---|---|---|---|
| in | 中に入っている | 国・都市・部屋・箱・水の中 | He grew up in a small village. |
| on | 面に接している | 机の上・壁・床・通り・階 | There is a map on the wall. |
| at | 地図上の点 | 駅・空港・交差点・住所の番地 | Let’s meet at the ticket gate. |
on は「上」と訳されがちですが、上下は関係ありません。壁に掛かった絵も天井の照明も on です。on が表すのは上下ではなく、面と面が触れているという関係です。a fly on the ceiling(天井のハエ)が on になるのはこのためです。
同じ建物でも、話し手の捉え方で in と at が入れ替わります。I waited at the library.(図書館で待った)は待ち合わせ地点としての図書館、I read the book in the library.(図書館の中で本を読んだ)は内部の空間としての図書館です。どちらも誤りではなく、何を意識しているかの違いです。
乗り物には in と on の使い分けがある
立って歩ける大きさの乗り物は on、体を折り曲げて乗り込む小さな乗り物は in を使います。on the train、on the bus、on the plane に対し、in the car、in a taxi です。車だけ in になるのは、中に収まって動き回れないからだと考えると覚えやすくなります。
住所は狭くなるほど at に近づく
in Japan、in Osaka、on Sakura Street、at 5 Sakura Street という順に、範囲が狭まるにつれて前置詞が移っていきます。通りの名前だけなら on、番地まで言うなら at です。この並びは、最初に書いた広さの物差しがそのまま効いている例です。
英語の前置詞 by と until は「終わる時点」の意味が違う
どちらも「〜まで」と訳せますが、表している内容は正反対に近いものです。by は締め切り、until はその時点まで続く継続を表します。
Send the file by Friday.(金曜までにファイルを送って)は、金曜より前のどこかで1回送れば完了します。Stay here until Friday.(金曜までここにいて)は、金曜までずっといる必要があります。
| 前置詞 | 意味 | 相性のいい動詞 | 例文 |
|---|---|---|---|
| by | 〜までに(期限) | finish、send、arrive など一回で終わる動作 | Please reply by tomorrow. |
| until / till | 〜までずっと(継続) | wait、stay、sleep など続く動作 | I waited until the rain stopped. |
| from 〜 to … | 〜から…まで | 期間の両端を示す | The shop is open from nine to six. |
| before | 〜より前に | 順序を示す | Call me before you leave. |
| after | 〜のあとに | 順序を示す | Let’s talk after lunch. |
区別に迷ったら、動詞が一瞬で終わるものか、続くものかを見ます。終わる動詞なら by、続く動詞なら until。動詞の性質が前置詞を決めます。till は until とほぼ同じ意味で、会話で好まれる形です。
英語の前置詞 for・during・since の違いを整理する
3つとも時間の幅に関わりますが、後ろに置く語がそれぞれ違います。ここを見れば選び間違えません。
for の後ろには「長さ」が来る
for three hours、for a week、for ten years のように、数えられる長さを置きます。We talked for two hours.(2時間話した)。どれくらい続いたかを答える形です。
during の後ろには「出来事や期間の名前」が来る
during the meeting、during the summer、during my stay のように、名前の付いた期間を置きます。He stayed quiet during the meeting.(会議の間ずっと黙っていた)。during の後ろに数字は置きません。during two hours は誤りで、for two hours が正しい形です。
since の後ろには「起点」が来る
since last April、since 2018、since I moved here のように、始まった時点を置きます。現在完了とともに使われることが多く、I have lived here since last April.(去年の4月からここに住んでいる)のように、その時点から今まで続いていることを表します。
| 前置詞 | 後ろに置くもの | 答えている問い | 例文 |
|---|---|---|---|
| for | 時間の長さ | どれくらいの間? | She practiced for an hour. |
| during | 期間や出来事の名前 | いつの間に? | It snowed during the night. |
| since | 始まった時点 | いつから? | We have been friends since childhood. |
| in | かかった時間・経過後 | どれくらいで? | He finished the report in an hour. |
最後の行にある in と for の違いにも触れておきます。He finished the report in an hour. は1時間で仕上げたという完成までの所要時間、He worked on the report for an hour. は1時間そのことをしていたという継続時間です。
英語の前置詞 to と for は「到達」と「向き」で分かれる
to と for はどちらも「〜へ・〜に」と訳せますが、to は相手や場所に到達するところまでを含み、for は向いている方向だけを表します。
I sent a card to my aunt.(おばにカードを送った)は、カードが相手に届く関係です。I bought a card for my aunt.(おばにカードを買った)は、おばのためにという気持ちの向きを表すだけで、カードが手渡されたかどうかは言っていません。
駅のホームの案内でも同じ差が出ます。the train to Kyoto は京都まで行く列車、the train for Kyoto は京都方面の列車という言い方です。到達点を言い切るなら to、方向を示すだけなら for という感覚で選びます。
| 方向を表す前置詞 | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| to | 〜へ(到達する) | She walked to the park. |
| for | 〜に向かって・〜のために | They left for the airport. |
| into | 外から中へ | He jumped into the pool. |
| onto | 面の上へ移動する | The cat climbed onto the roof. |
| toward | 〜のほうへ(到達は問わない) | We drove toward the coast. |
| through | 〜を通り抜けて | The path goes through the woods. |
| across | 〜を横切って | We swam across the lake. |
| along | 〜に沿って | Walk along this river. |
英語の前置詞の一覧|時間・場所・方向・その他
ここまでに出てこなかったものも含めて、使用頻度の高い前置詞を用途別にまとめます。
| 用途 | 前置詞 | 意味と例 |
|---|---|---|
| 時間 | in / on / at / by / until / for / during / since / before / after | 広さ・期限・継続・起点・順序を表す |
| 場所 | in / on / at / under / over / above / below / behind / between / among / near / beside | under the desk(机の下)、between the two trees(2本の木の間) |
| 方向 | to / for / into / onto / toward / through / across / along / around / from | from Osaka to Nara(大阪から奈良へ) |
| 手段・道具 | by / with / in | by train(電車で)、with a pen(ペンで)、in English(英語で) |
| 関連・主題 | about / on / of | a book about birds(鳥についての本)、a report on climate(気候に関する報告) |
| 除外・追加 | except / besides / without | everyone except him(彼以外の全員) |
手段の行で、by と with の違いに触れておきます。by の後ろには冠詞を付けずに交通手段や方法を置き、with の後ろには具体的な道具を置きます。by bicycle には a が付かず、with a knife には a が付きます。
between と among も混同されやすい組です。between は2つのものの間、among は3つ以上の中にあることを表します。ただし、3つ以上でも1つずつを個別に意識しているときは between を使えます。
①時間か場所かを決める ②どれくらいの広さ・狭さかを考える ③広ければ in、面に接していれば on、点なら at。迷ったら「中・面・点」の3語に置き換えて考えると、日本語の「に」から離れられます。
英語の前置詞の後ろは名詞か動名詞しか置けない
前置詞の後ろに動詞を続けたいとき、原形をそのまま置くことはできません。前置詞の後ろに来られるのは名詞・代名詞・動名詞(-ing 形)の3つだけです。
Thank you for helping me.(手伝ってくれてありがとう)。ここで for help me とは言えません。help を動名詞の helping に変えて、名詞のかたまりにしてから置きます。同じく、I’m interested in learning Korean.(韓国語を学ぶことに興味がある)も動名詞です。
この規則でとくに間違えやすいのが to です。to には前置詞の to と、to 不定詞の to という別の顔があります。I want to go. の to は不定詞なので後ろは原形、I’m looking forward to going. の to は前置詞なので後ろは動名詞です。
| 表現 | to の正体 | 後ろの形 | 例文 |
|---|---|---|---|
| look forward to | 前置詞 | 動名詞 | I look forward to hearing from you. |
| be used to | 前置詞 | 動名詞 | She is used to working late. |
| object to | 前置詞 | 動名詞 | They objected to changing the rule. |
| want to | 不定詞の一部 | 原形 | I want to try again. |
| decide to | 不定詞の一部 | 原形 | He decided to move. |
見分ける方法は単純です。to の後ろに名詞を置いてみて意味が通るなら前置詞、通らないなら不定詞の to です。look forward to your reply は成り立つので前置詞、want your reply は意味が変わってしまうので不定詞だと判定できます。
英語の前置詞についてよくある質問
Q. 英語の前置詞は何個くらい覚えればいいですか
日常的に使うものに絞れば30語ほどで足ります。そのうち in、on、at、to、for、with、by、from、of、about の10語が全体の大半を占めるので、まずこの10語の感覚をつかむのが効率的です。残りは出会ったときに用例ごと覚えていく形で問題ありません。
Q. 英語の前置詞は文末に置いてもいいですか
置けます。Who are you waiting for?(誰を待っているの)や This is the house I grew up in.(ここが私の育った家です)のように、疑問文や関係詞の文では前置詞が文末に残る形が普通に使われます。改まった書き言葉では For whom are you waiting? のように前に出す形も使われますが、会話では文末のほうが自然です。
Q. 英語の前置詞を省略できる場面はありますか
あります。this、next、last、every、tomorrow、yesterday が時を表す語に付くときは前置詞を置きません。また、discuss、enter、marry、reach のように日本語では「〜について」「〜に」と言いたくなる動詞でも、英語では前置詞を入れずに目的語を直接続けます。動詞が自動詞か他動詞かで決まるので、辞書で確認する習慣をつけると確実です。
Q. 英語の前置詞を感覚で選べるようになるにはどうすればいいですか
前置詞を単語として覚えるのではなく、前置詞ごと1つのかたまりとして文で覚える方法が有効です。in the morning、on Monday、at noon のように、セットで音として口に出しておくと、必要な場面で形が先に出てきます。訳から選ぼうとすると日本語の助詞に引っぱられるので、イメージと例文をセットにするのが近道です。
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